月星鬼
3人並び歩いた先は集合場所から然程離れてないごく普通の民家。
私達の家がデカイだけだけどさ。
ココは鬼一族の3番目の山雅家。
ピ-ンポ-ン
インターホンを鳴らし家に上がらせてもらう。
2階の和室に着くと和菓子を出した。
「態々おいでなさってありがとうございます。」
「お気になさらずにどうぞ。」
頭を幾度も下げお礼を言うと、1階へ降りて行った。
私たちが座る目の前にいる写真の子。
山雅 蓬(ヤマガ ヨモギ)…
蓬も幼馴染で私たちと同級生…のはずだった。
蓬は沙季と好き合っていた。
お互いにデレる程。
だから沙季は他の女の子に冷たいんだけど…
蓬は…何で死ななくちゃいけなかったの?
「沙羽大丈夫か?」
萊が話しかけてくれた。
「うん。大丈夫。」
あれから1年。今日は命日。
夏に掛かろうとするこの季節に蓬はイナクナッタ。
あいつらの所為で…