月星鬼
それを諸共しない大人たちに私たちは腹を立てた。
ー鬼が喰われるなど恥だ。
ーお主らもこうなるでないぞ
ー要らぬということだ。
ー要らぬ存在は消えてもどうにもせん。
冷たい言葉を蓬の親にも私たちにも葬式の場で言った大人たちが…
「憎いぐらいだ。」
フと口に出してしまった言葉を私は隠す気力もなくした。
「本当鬼龍院の奴らは何を考えてる?」
「跡目争いを避けてるなんて甘いこというなよ?」
「そうだとしたら本当最低。」
萊が言い出した言葉を初めに私たちの暴言はヒートアップした。
「「「許せない」」」
けど…蓬は嫌う。
知ってる蓬の性格も唯一無二の親友だったから。
付き合う前の可愛い乙女心も
置いていかれたくなくて必死に特訓していた意欲心も
1度行方不明になった萊のことを心配していた心配性も
可愛いぐらいに素直で穢れを知らない。
汚いことが大っ嫌いな子で。