月星鬼
蓬の仏壇に花を供えると私たちは山雅家から出た。
近所の公園に寄り、思い出に浸る。
神は本当に理不尽だ。
良い者を無くし悪い者を生かす。
最悪だ。地獄に住むと言われる鬼でさえ思う。
ここは平和そうに見えて地獄絵図のようだと。
「本当…ね…」
「沙羽は気に留めすぎだ。蓬は必ずまた生まれ変わってでも俺らのそばにくるさ。」
「そうだよね。」
ずっと一緒にいた私たちだからこそ絶対に嘘はつかなかった。
次世でもまた一緒に居ようって約束した。
だから…信じてみていいよね。
ただ絶対に復讐してやりたい。
蓬が嫌がっても。見せしめにしてやる。
段々私の中には負のオーラと共に鬼が嗤うと言われる激怒が溜まっていた。
「沙羽。そこまでだ帰るぞ。」
そうだ。いつも止めるのは沙季だ。
沙季が居なくなったら私は本当に復讐をやるだろうな。
「そうだね。」
沙季に笑って見せた。
「バイバイ萊!また今度ね。」「近々また遊び行くな。俺の家にも来いよ。」
「じゃーなー沙季も沙羽も今度遊び行くから待っとけよ!」
皆笑顔で手を振り家路についた。