愛と哀





寂しい道をしばらく2人で歩いて、ようやくたどり着いたのは……。



「ここ……」



山の奥の寂しい場所。

周りにあるのは木ばっかり。



森に囲まれた中にポツンと立っている大きな洋風の一軒家。




「ここさ、別荘なんだよ」


「別荘……」


「母親に何度か連れて来られた事あるから。夏休みとか春休みとか。男を家に連れ込むのに俺の事が邪魔みたいでさ」



春田くんは「入るよ」と言って私の手を強く引いた。




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