初恋も二度目なら
「驚いたでしょ、サヤコちゃん。ワタシもかなりビックリしちゃったんだけどー」
「 もうホント、ビックリしました。ハンサムな顔も、細身で筋肉質っぽい体型も、たぶん背の高さも、部長と全く同じだから」
「そうね。ワタシ、ユウリくんのことは写真でしか見たことけど、ワタシもそう思うわ」
「でも、ユキオくんのカレは部長に瓜二つだけど、部長じゃないってすぐ分かりました」
「あら、そうなの。ふーん」

ユキオくんは何か考え事をしているような感じで、でもテキパキとした動作で、コーヒーを淹れている。
そしてマシーンで淹れ終えたコーヒーを、私はお盆に乗せていった。

「よしできたっと。いいわよ。ワタシが運ぶから」
「でも・・・」
「ここはワタシのお教室だし。何よりワタシは見た目がオトコだから、チカラ仕事は任せてちょーだい」
「あ。じゃあ。お願いします」
「いいわ!その言葉」
「は」
「サヤコちゃんはもう、30代のオトナの女だしー。こういう時は、“すみませーん”ってカワイ子ぶって言うより、“お願いします”と素直に言う方が、サヤコちゃんの好感度がアップするわ」
「そうですか。なるほどー」

後でメモっておこう。

「適度に甘えたり頼ることができるって、イイ女の必須条件よ。頼られたオトコは、そこにグッときたりするわけ。でもし過ぎると、ただのバカ女にしか映らないからね。あくまでも“適度に”ってのがポイント。相手を選んでTPOをわきまえて、密かに女らしさをアピールする」
「はいっ!」

これもぜひメモっておきたい!
なんて思っているうちに、みんながいるダイニングに着いた。

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