初恋も二度目なら
「卜部」
「はいっ」
「今日は社食で昼メシだ。行くぞ」
「え?で、でもそんな急に・・・」
「芥川と名古屋と渡辺も一緒だ」

営業部に入った新人たちの名ばかり。
ということは、プチ歓迎会みたいなものか・・・でも私・・・。

「あの、すみません部長。私、お昼を持ってきてるので・・・」
「そうか。前もって言っておけばよかったな」
「なので私抜きで行ってくださ・・・」
「だったら俺が晩メシに食べてやる。これで問題解決だ。行くぞ」
「はあ?そんな・・・」

なんて強引な・・・!

「俺は和食に飢えてるんだ。ちょうどいいだろ」
「あ。すみません。今日持ってきたの、サンドイッチなんです・・・」

ってなんで私が恐縮してるのよ!
しかも部長から「あぁ?つべこべ言うな!」と視線で言われてる気がするし!

「おまえが作ったものなら何でもいい」
「そ・・」
「席がなくなる。行くぞ」
「・・・はぃ」

・・・仕方ないというか・・私には部長たちについて行くしか道はないようだし。
それに部長のことだから、ここで断ると「だったら明日、俺とおまえの二人だけで社食に行く」とか言ってきそうだし!
それより・・・部長はホントに私が持ってきているサンドイッチを、晩ごはんに食べるつもりなのかしら。
とりあえず、コンビニで買ったものじゃなくてよかった。
今度はちゃんと和食のお弁当を作ってこよう。
でも私の場合、たまご焼きとか、冷凍のコロッケとか、そういうのが多いけど、長峰さんは、私が作ったお料理を、いつも「美味い」と言って全部食べてくれた・・・じゃないでしょっ!!

サンドイッチは私が食べるの!
部長にはあげないから!

という私の決意は揺らぐことなく、無事遂行された。
あれから部長は、「サンドイッチくれ」って言ってこなかったし。
きっと彼なりの冗談だったのね。


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