初恋も二度目なら
「・・・わぁ・・・!」

部長の手つきが、すごく鮮やかで、それでいて、流れるように、ごく自然にサラサラと、一輪の花を描いた。
見惚れる時間があっという間で・・・何だかもったいない。

「アジサイって・・・これか」
「え?部長。これは・・・アヤメか花菖蒲、かと・・・」

やっぱり部長って花オンチだったんだ・・・。
でも・・・。

「うわぁ。ユウリくんってー、すっごく絵が上手なのねぇ」
「別に。フツーだろ?」
「いーや。俺ら兄弟の中でも、おまえだけが父さんの才能を受け継いでる」
「じゃあ悠希さんは、絵を描いたりは・・・」
「しないよ」
「俺もあんま描かねえけどなー」
「じゃあ、時々は描いてるんですか?」
「気分転換程度にな」

小さい頃、お父様の隣に座って、一緒に絵を描いてたって、さっき聞いたばかりだから、それほどビックリはしなかったけど・・・でもやっぱり意外だと思って驚いた。

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