ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
途中、指導室に寄ってもらって反省文三枚を西田に渡すと、玄関に真っ直ぐ向かった。
玄関についてもまだ視線は痛かったけど、さっきに比べると大分ましだ。
「朝陽くん、走るの速いね」
若干息が上がってる美咲ちゃんは、運動が苦手なのか俺に笑顔を向けてすごいと拍手した。
「え、そ、そんな速かったかな!てかごめんね、走らせて」
「 ううん、謝らないで?? 実は、ちょっと楽しかったんだ! わたし、どんくさくて速く走れないから、朝陽くんが引っ張ってくれて、速く走れた気分になれた」
どんくさくても可愛いから許されると思うのは俺だけか。
つか、美咲ちゃんがどんくさくても普通に可愛いだけじゃねぇ?!
可愛いって得だよな。
なにしてても可愛いもんな。
姉ちゃんとは大違いだ。
姉ちゃんなんかなにしててもたくましく見えるもんな。
すげーよ。俺も姉ちゃんみたいになりてぇもん。
ある意味尊敬するな。
なにしてても男である俺よりもかっこいい姉ちゃんが羨ましいぜ。ははっ。あれぞ男の鏡。姉ちゃん女だけど。
「あ、朝陽くん、どうしたの?」
心配そうな顔が視界いっぱいに映る。
なんでもないよ、美咲ちゃん。俺は今、自分の“男らしさ度、皆無”って事実に落ち込んでるだけだからな。
美咲ちゃんが心配することはなにもないんだぜ。はは。