ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
まあまあ、なんて言いながら啓太は真面目な顔になると、俺の耳に顔を寄せてきた
「お前さ、もしかして、財布なくしてたりする?」
次の瞬間、流れ込んでくる言葉に、耳を疑った。
なんで、それ知ってるんだ?
俺が不思議そうにしていると、さらに言葉を重ねてくる、
「お前の財布、たぶん親衛隊のやつらが盗ったんだと思う」
……まさかぁ
嘘だろ?と、眉をしかめる俺に、啓太が真面目な顔で首を横に振った。
「これがまじなんだな。あいつらが話してたから間違いない」
そのまま真面目な声で、あいつら、と言いながら、教室の教卓の近くで、なにかの話をして盛り上がってるやつらを顎で指す。
それは、JMSのみなさんで。
啓太の話では、あの方々が俺の財布がなんちゃらかんちゃらと言っていたみたいで。
啓太に、財布をなくしたことは言っていない(バカにされそうだから)
なのに、『財布なくした?』と聞かれた。
だから、たぶん、間違いないんだと思う。つーか、これ立派な犯罪だぞコラ。JMSの皆さん、やっちゃいけないことだよ!?
俺だからいいけど! 他の人だったら下手したら警察沙汰になってるぞ!
「お前さぁ、本当に気を付けろよ? まぁ財布の件は、職員室に落とし物として届けてきたらしいから後で取りに行っとけ」
「……なんだろう、幻覚かな。啓太がイケメンに見える」
「まごうことなき真実だ、安心しろ」
「あ、やっぱ勘違いだった」
「おい」
こんなバカな会話してるけど、なんだかんだいいやつなんだよな、啓太って。
……ちゃんと、JMSのみなさまに立ち向かうべき、だよなぁ。
頭の片隅で考えながら、また机に突っ伏した。