ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
多目的室は、別名、城ヶ崎美咲親衛隊作戦会議室と呼ばれてる。
先生に許可をとってるわけじゃないけど、べつになにも言われてないみたいで、好き勝手使ってるらしい。
「つーかそもそも、俺らがやったって証拠あんのかよ」
「……ないっすね」
「いや、ねぇのかよ。お前よくそれでここに乗り込んだな」
ごもっともですね。うん、俺も今思ってたとこだ。
でも、ここに来たのは、どうしても伝えたいことがあったからで。
ぐっと、びびりながらも拳を握り、番長的な人をまっすぐに見据えると、大きく深呼吸をした。
「俺の財布は、べつに盗っても構わないんです」
「はぁ?」
「(怖っ)……だけど、それで、美咲ちゃんに迷惑がかかるのが俺は嫌なんです! 昨日、俺の財布が誰かに盗まれたせいで美咲ちゃんに迷惑をかけました!」
番長的な人(もう番長さんでいいや)の、表情がみるみる変わっていく。
「俺に謝ってほしいとは言いません! だけど、美咲ちゃんには謝ってください!!」
い、言えたっ!
最後のほうは、ほとんど勢いで言っていたせいか、全然なにを言っていたか自分でもわからない
スッキリして、ふうっと大きく息を吐くと、安心したのか体が勝手に多目的室の扉に寄り掛かってずるずるとしゃがみこんだ
やべえ、まじで力入んねーよ。
こういうとき、自分のヘタレさに笑いたくなる。