残業しないで帰りなさい!
ということは?
つまり課長は、久保田係長と私のことを話していたのであって、よりを戻そうとして壁ドンしたわけではない、ということ?
じゃあ……。
「課長は久保田係長と付き合っていないんですか?」
「だからずっとそう言ってるじゃない」
ずっとそう言ってた?そうだったかな?
壁ドンインパクトが強くて思い込んでたってこと?
それって……、本当なのかな?
ちょっと首を傾げる。
「ここまで言ってもまだ信じてもらえない?もし俺が久保田さんと付き合ってんなら、なんで君に告白したりすんの?」
「……同時に付き合う」
「そんなわけないじゃない!怒るよ!」
課長は私の言葉を聞いた瞬間、被せて言った。
……怒った?
怒った顔してる。
どうしてだろう、この人に怒られると胸が痛んで涙がにじむ。
課長はそれを見て一瞬ひるんだけれど、でもまた真剣な顔をした。
「俺はそんな不誠実なことはしません。そんな風に思うなんて、失礼だよ」
「……ごめんなさい」
課長、怒ってる。
確かに……、考えてみたら失礼な話だったかもしれない。
そうだよね。それって不誠実なことだもんね。私、課長のことをそんな不誠実な人だと思っちゃってたんだ……。
課長に酷いこと、言ってしまった……。本当にごめんなさい。
それに課長、久保田係長に何をあんなに一生懸命言ってるのかと思ってたけど、あれは私のことだったんだ……。
なんかなんか、本当にごめんなさい……。
「それに、君は俺がしょっちゅう女性に迫ってるみたいなこと言ってたけど、そんなこともありません。君は俺に対してどんなイメージを持ってんのかなあ?昨日いきなり告白なんてしたから?だから、いろんな人に迫ってると思ったの?」
あ。私、そんなことも言っちゃったなあ……。重ね重ね、本当にごめんなさい。