残業しないで帰りなさい!
美味しそうに食べる翔太くんは、目が合ったらにこっと笑った。
あれ?そういえば。
「あの、課……」
「か?」
「……えっと、あの、し、翔太くんはトマトソース、大丈夫なんですか?」
「ん?トマト?生じゃなければ大丈夫だよ。トマトソースは全然平気。むしろ好き」
そういえば、生じゃなければ平気なんて前にも言ってたっけ。
「このピザ、本当に美味しいですね」
「ホント?良かった。ここの食べ物はなんでも美味しいんだよ」
にっこり笑ってなぜか自慢げに言う翔太くん。確かにここのお料理、すごく美味しい。
ピザもパクパクとあっという間に平らげてしまった。
最初は小さく見えたから、もしかしたら足りないかも、なんて思ってしまったけれど、食べてみたらかなりお腹いっぱい。
「美味しかった?」
「はい。美味しかったです。もう大満足です」
「フフッ、良かった」
翔太くんが嬉しそうに笑った時、白い服を着た男の人がトレイを持って近付いて来た。
その人を一目見て、驚いて息を飲んだ。
目を丸くしてじっと見る。
似てる……!
双子ほどではないけれど、ものすごく翔太くんに似てる。
この人、間違いなくご兄弟ですよね?
翔太くんは真っ黒な髪だけど、この人はこげ茶色の髪をしている。兄?弟?見た目ではどっちが上なのかわからない。
お知り合いって、お友達じゃなくて兄弟だったんだ。