残業しないで帰りなさい!
私たち、すっごくいちゃいちゃしてるみたいだよね?
っていうか、いちゃいちゃしてるよね?
「連れて帰りたい」
……?
えっ?
なんかつぶやいた?
すぐそばの瞳を見たら甘い瞳に飲み込まれた。
さっきまで真剣な瞳だったのに、いつのまに糖度を上げたの?糖度は自在なんですか?
どうしよう……。
捕まったみたいになって視線を外せない。
「君のこと、うちに連れて帰りたい」
「?」
連れて帰る?
瑞穂の言葉を思い出した。
『彼が家に連れて帰ろうとしたら、そーゆーこともあるってことだからね』
……。
ハッと目が大きくなる。
えっ?
そーゆーこと、なん、ですか?
えっ?
ど、どうしようっ……。
私、なんにも考えてなかった。全然考えてなかった。全く考えも至ってなかった。
これは私には完全に未知の世界です。
翔太くんの髪に触れたまま固まる。
「猛烈に困ってるね?」
「……」
素直にうなずいてみた。
だって、私、困ってる。
「大丈夫。君が怖がるようなことはしない」
怖がるようなことはしない?
そーゆーことはしないってこと?
初心者には全く話が見えませんっ!
うろたえていろいろと見失っている私に、翔太くんは甘い瞳を向けた。そして、触っていた髪の束をサラサラと離すと頬に手を添えた。
「でも、キスはする」
意味がわからず首を傾げてまばたきをする。
「……?えっ!」
意味を理解して、より一層うろたえる。
「今すぐ」
「ええっ!」
「罰ゲームはキス」
「……」
頭が痺れて、もう真っ白……。
驚きすぎて言葉が出てきません。
いったい何を言ってるんですか?