残業しないで帰りなさい!

私たち、すっごくいちゃいちゃしてるみたいだよね?
っていうか、いちゃいちゃしてるよね?

「連れて帰りたい」

……?

えっ?
なんかつぶやいた?

すぐそばの瞳を見たら甘い瞳に飲み込まれた。
さっきまで真剣な瞳だったのに、いつのまに糖度を上げたの?糖度は自在なんですか?

どうしよう……。
捕まったみたいになって視線を外せない。

「君のこと、うちに連れて帰りたい」

「?」

連れて帰る?

瑞穂の言葉を思い出した。

『彼が家に連れて帰ろうとしたら、そーゆーこともあるってことだからね』

……。
ハッと目が大きくなる。

えっ?
そーゆーこと、なん、ですか?

えっ?

ど、どうしようっ……。

私、なんにも考えてなかった。全然考えてなかった。全く考えも至ってなかった。

これは私には完全に未知の世界です。

翔太くんの髪に触れたまま固まる。

「猛烈に困ってるね?」

「……」

素直にうなずいてみた。
だって、私、困ってる。

「大丈夫。君が怖がるようなことはしない」

怖がるようなことはしない?
そーゆーことはしないってこと?

初心者には全く話が見えませんっ!

うろたえていろいろと見失っている私に、翔太くんは甘い瞳を向けた。そして、触っていた髪の束をサラサラと離すと頬に手を添えた。

「でも、キスはする」

意味がわからず首を傾げてまばたきをする。

「……?えっ!」

意味を理解して、より一層うろたえる。

「今すぐ」

「ええっ!」

「罰ゲームはキス」

「……」

頭が痺れて、もう真っ白……。
驚きすぎて言葉が出てきません。

いったい何を言ってるんですか?
< 280 / 337 >

この作品をシェア

pagetop