残業しないで帰りなさい!

「ああ!ごめん、また泣かせちゃった」

翔太くんは焦ったように私を少し離した。

「……死んじゃヤダ」

「うん。大丈夫、死なないよ。表現が良くなかったね?俺はそう簡単に死んだりしないよ。死んでも構わないなんて、もう言わない。ただ、そのくらいの覚悟はあるってことだから」

涙が止まらない私を翔太くんは両腕でぎゅうっと抱き締めた。

「ホントにごめん」

喉が詰まって声が出なくて、首を振った。
違うの、私が泣き虫だからいけないの。
でも、翔太くんがいなくなっちゃうと思ったら、涙が止まらなくなる。

翔太くんは腕を解いて私の頬に手を当てた。
心配そうな瞳を向ける。

「ごめん」

「……翔太くんと離れたくない」

私がそう言うと翔太くんは目を大きく開いた。

「俺だって離れたくないよ」

それから苦しげな瞳をして首を傾けると、唇を重ねた。

柔らかく押し付けるようにキスをして一度離れたから見上げると、私を見ていたのは甘すぎて焦がされてしまいそうな瞳。
思わず目を見開く。

もしかして、さっきキスした時もそんな瞳をしていたの?
さっきは気が付かなくてよかったかも。
こんな瞳、ドキドキしすぎて貧血になる……。

翔太くんはおでこをくっつけた。

「離れないよ、絶対」

「うん」

「俺、たぶんしつこいよ?」

「うん、最近わかってきた」

「じゃあ覚悟してね?」

「うん」

翔太くんは両手で私の涙を拭いて、そのまま両手で頬を挟んだ。

「君のことが好きなんだ」

「……私も、好き」

「もう生涯、君以外は好きにならない」

その台詞には驚いてしまって、真剣な瞳をじっと見つめた。
私がすぐに返さなかったから急に不安げな瞳になる。
わかりやすい……。

「私、翔太くん以外の人との恋なんて知らなくていい。私の恋は翔太くんだけでいい」

ホッとしたように微笑む。
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