残業しないで帰りなさい!

そんなことを言う翔太くんは髪がまだ少し湿っていて、肌も艶々していて、なんだかとっても色っぽい。待ってた時よりも、ずっとドキドキしてしまう。

「寝よ?」

……。

えっと?
どうしたらいいのかな?

えっと、まさか。
……一緒に寝るの?

またもや何にも考えていなかった。
この感じ、どっちか一人はソファーで寝るって感じじゃないもんね?

パッと手を取られてソファーから引っ張り上げられる。

あ、手があったかい。
お風呂上がりの手だ。

「行こう」

ぐいぐい手を引かれる。
やっぱり一緒に寝るんですよね?

そのまま引っ張られて隣の部屋に入ったら、やっぱりベッドが置いてあってドキッとする。
ここ、寝室だよね?そうだよね?

「寝よう」

ドキッとする台詞を言ってるのに、翔太くんはどうしてそんなに爽やかな笑顔なの?
私はドキドキしすぎてクラクラです。

「君をうちに泊めるのに別々に寝るなんて嫌だから。一緒に寝る」

「……」

正面切って思いきったことを言い出したなあ。

どうなんだろう?
まあ、いいんだけど。
いいのか?
よくわからない……。

「困惑してる?」

「うん……、困惑してる」

翔太くんはフフッと笑った。

「そりゃそうだよね?でも、俺は君に嫌われたくないから、嫌われるようなことはしないよ。嘘もつかない。だから、まだ君を抱かない」

相変わらずハッキリ言うなあ。

まだっていうのは、いずれはって意味を含んでいるわけで、要するに、今日はただ一緒に寝るだけって言いたいんだよね?その点についてはだいぶ理解してきた。

人と一緒に寝るなんて緊張しちゃうけど……。

「うん、わかった」

「そう?じゃあ、寝よ」

翔太くんはにっこり笑った。

なんでそんなに余裕なの?
やっぱり年の功ですか?

私は猛烈にドキドキです。
それはもう、心臓がバクバクです。
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