残業しないで帰りなさい!
私が作ったサンプルを白石さんが受け取って資料と組んで袋に入れる。そんな流れ作業を喋りながら続けた。
「白石さんの良さをわかってくれる方が現れて良かったです」
「そう思ってくれる?じゃあ、私の幸せ、祈っててね」
「はい、黙々と作業しながら白石さんの幸せをお祈りしてますよ」
「ふっふっふ、よっしゃー、がんばろー!」
楽しそうに白石さんは拳を上に掲げた。白石さん、元気いっぱいで正義感が強くていい人なんだけど。本当にその素敵な人とうまくいってほしいなあ。
ふと窓の外を見たらもう暗くなっていて、作業する私たちの姿が窓に映っていた。会議室の蛍光灯の光がやけに白々と眩しく感じる。
「最近ホントに暗くなるのが早いよね。なんだか寒くなってきたしさ」
「そうですね。もうあっという間に冬ですよ」
「うん。クリスマスまでに彼氏ほしーなー」
「エッ?もうクリスマスですか!?それはさすがにまだ先ですよ」
「そんなことないよ!手を打つには遅いくらいだよう」
そうなの?まだ2か月以上先の話なのに。
白石さんはうきうきとペコちゃんみたいな表情で作業をやっている。……可愛い。その素敵な人に白石さんのこの顔を見せてあげたい。
こんな可愛らしい白石さんを見たら、きっとクリスマスだって一緒に過ごしたいと思うんじゃないのかな。
「私が手伝えるのはここまで!悪いねっ」
「いえいえ、たくさん手伝ってもらって助かりました」
「そお?少しはお役に立てたかな?」
「はい、もちろん!」