残業しないで帰りなさい!
「今まで一度も残業したことなかった白石さんですら最近残ってるくらいだから、支援係の負担は相当大きいんだと思うよ」
そういえば、白石さんも合コンとか予定がない日は一緒に残っていることがある。前はそんなこと全然なかったのに。
この人、本当に社員のことをよく把握してるんだ。
ちょっと尊敬しちゃう。
「君、昨日も残ってたでしょ?」
……大塚係長から報告があったのかな?仕事できないヤツって報告だよね?落ち込んじゃうな。
「はい……、大塚係長に怒られてしまいました」
「そーなの?なんで?」
あれ?聞いてないのかな?
「単純作業で残るなんて仕事のできないヤツだって、バッサリ切られてしまって……」
「へえー?アイツそんなこと言ったの?でも、話の流れからすると、辞めちゃったアルバイトにお願いした仕事を君がやるはめになったから残業してたんじゃないの?」
そうなんです!その通りなんです!わかってくれて嬉しい!
うるうると見つめると、藤崎課長はあははっと笑った。
「アイツ頭が堅くってまっすぐだからさ、話も聞かないで怒ったりしたのかな?でも悪いヤツじゃないんだ。許してやってよ」
「……はあ」
「ホント、ごめんね。まあ、あんまり残業してもらっても困るけど、今回は仕方ないんじゃない?大塚の言うことは気にしなくていいよ」
「はい……」
なんかなんか、すごく味方になってくれて夢のよう。こんなの嘘みたい。
……実は夢だったりして。目が覚めたら真っ暗な部屋に一人だったりする?