残業しないで帰りなさい!
「香奈……、アンタはものすごく女の子だよ。見た目は女の子っぽくないようにしてるけど、中身はめちゃめちゃ女の子だよ?もう、いつまでも継母が言ったことなんて、気にすることないのに」
「中身は女の子、かな……?あ、でもね、あの人、継母だけど悪い人じゃないんだよ?」
お父さんの再婚相手の優香さんは本当に悪い人じゃない。むしろ、いい人だと思う。
ただ、あの事件の時、優香さんに言われた言葉に私は深く傷ついた。
あの時、あの瞬間から、私は女として見られることが怖くなった。
「香奈だって何も悪いことしてないじゃん」
「んー……、それはそうだけど。頭ではわかってるんだけどねえ」
瑞穂はフォークを置いて、息を吸った。
「香奈は全然悪くない!私は何一つ悪くない香奈が、いつまでも一人で罪悪感を持ってるのはおかしいと思う。香奈だって普通の女の子みたいにおしゃれすればいいと思うし、恋をするのは当然だと思う」
突然、拳を握りしめて熱弁をふるう瑞穂。そう言ってもらえるのはすごく嬉しいけど……。
「でもね、やっぱり女の子みたいなことをする自分に罪悪感を持っちゃうんだ。男の人から女の子って見られることも、やっぱり怖いし……」
瑞穂は「うーん」と唸って腕組みをした。