嫌われ者に恋をしました*エピソードplus
クリスマスパーティーは楽しくて賑やかで、不思議な高揚感があった。この高揚感は隼人さんにおかしなことをされたせいもあると思うけど……。
シュルツさん夫妻にお礼を言って、花ちゃんたちと別れた後、家に帰って私たちもささやかなプレゼント交換をした。
私が用意していたプレゼントはボールペン。ドイツの老舗ブランドに前から憧れていて、隼人さんに持ってほしいと思っていたから。
でも、お値段は決してささやかではなくて、ヘソクリをはたいてしまったけど……。
箱を開けた時、驚いた顔をしてボールペンを手に取ってくれて嬉しかった。「大事にする」ってキスをしてくれて、嬉しかった。
隼人さんのプレゼントは……。
白い箱を開けると入っていたのはネックレスだった。青く輝く宝石がすごく綺麗。いつの間に買ったの?
隼人さんは私の首に腕を回してネックレスを付けてくれた。包まれるその距離感にドキドキしつつ、青い石の輝きに目を奪われてじっと見つめる。
すごく綺麗……。
「うん、似合ってるよ」
「……ありがとう」
「気に入った?」
「それは、もちろん……」
「でも、石ばっかり見ないでほしいな」
深い海みたいな青い輝きに目が釘付けな私。スッと顎を持ち上げられたら、柔らかく唇が重なった。
んっ、なんか……。いつもよりすごく丁寧?舌の感触にゾクッとして、思わず逃げても追いかけられて、夢中になって力が抜けちゃう。
すがるようにしがみついたら、腰からグッと引き上げられて抱き締められた。
「もうダメ?」
「……」
何も言えず、涙目で見上げた。だって、こんなキス……。
「今日は覚悟して」
「……やきもち、ですか?」
やっとのことでそう聞くと、隼人さんは少しむくれた顔をした。
「そうだよ!悪い?」
悪くないのです。全然悪くなくて、求められることに期待している私がいて、そんな期待に胸が甘く痺れて困るのです。