この空の下でめぐり会う奇跡
オレは美空の帳簿を覗くと
間違いを発見した。
ただの個数打ちのの違い
数量の単価を間違ってたみたいだ。
「なーんだぁ~今までの苦労台無し」
と 笑いながらパソコンの電源を落とした。
「あ~あ あと10分難しいな」
ため息交じりに言った美空。
「石川さんだけでも行ってください
あたしはボチボチと鍵を閉めていきますから」
「間に合うよ!もう出れるの?」
「出れますけど・・・」
松葉つえは置いたまま美空は事務所から足を引き引き出た。
「ほら!乗って」
「乗るって?」
オレは美空の前に膝をついた。
「おんぶするから」
「ダメです!恥ずかしいし
重いし・・・無理です」
言うことを聞かない美空に
「オレまで遅刻させる気?」
と 冷たく言った。