○○するお話【中編つめあわせ】


「あとで、恭くんにしまってもらえばいっか」

背伸びするのも、疲れちゃったし……とりあえず、それよりもご飯の準備だと、コンソメと片栗粉はシンクの端に寄せた。
恭くんが帰ってくるまでには支度を終わらせたいし。

同棲を始めた頃と比べたら上達した包丁で、それでも危なっかしくかぼちゃを切りながら思わず鼻歌がもれる。

かぼちゃの煮物、恭くん好きだから喜んでくれるかもしれない。
うまい、って言ってくれるかな。
そう考えたら自然とにやけてて、自分でちょっと気持ち悪いなって思ったけど、顔は戻らなかった。

かぼちゃを煮ている間に、お味噌汁を作ってご飯も炊いて。
それから、すりおろしたショウガとかお醤油、お酒につけておいた豚肉をフライパンに入れた時、玄関の開く音がした。

恭くんだ。
一緒に住み始めてしばらくは、今から帰るからって連絡くれたけど……。
ここ数ヶ月は、教えてくれない。

仕事、忙しいのかな、と思う。

「おかえりなさい」と笑顔を向けると、恭くんは「あー」って呟くように言ってリビングを通過して自室に入った。
そして、軽く着替えて洗面所で手洗いうがいをしてから、リビングに戻ってきて。

まだご飯ができてなかったからか。
聞こえてきた軽いため息に、ビクってなりながら慌てて手を動かした。

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