○○するお話【中編つめあわせ】





「ねぇ。なんか影でこそこそ動いてるでしょ」

珍しく俺の部屋に来たアキラがそう聞いたのは、麗と会って一週間が経った頃だった。

窓際の椅子に腰かけ書類を読む俺にアキラが近づくから、隣のテーブルにそれを置いた。

「それ、なに?」
「え? ああ、他の街の近状。どこも変わりはなさそうだし問題ない」
「ふーん。じゃあカイが動いてるのは、この街の関係?」
「動いてるってなにが?」
「とぼけても無駄だよ。カイ、人間の意思操作してるでしょ。しかもひとりじゃない」
「なんでそう思う?」
「カイの血の匂いが薄まってる。原因を考えれば、記憶操作が一番考えやすいけど、失った血が記憶操作っていう量じゃない。だから」

まぁ、元々アキラにはいつまでも隠しておけるとは思っていなかった。
洞察力の鋭いヤツだしやっぱりなとすぐに白旗を上げ「バレたか」と笑う。

「誰の意思操作してるの?」
「んー。麗の周りのヤツら」
「麗って、例の貴族の?」
「そ」

麗の周りのヤツらの事を調べたのは、出逢った日、麗を部屋に届けてからだった。

どうも聞いていた情報とは違うように感じて屋敷の中を調べると、使用人の姿を発見し、後をつけた。
その先にあったのは、使用人用の部屋で……つけていたヤツと中にいたヤツ、合わせて三人の会話を要約するとこうだ。


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