○○するお話【中編つめあわせ】
使用人たちは吸血鬼の存在は信じていないが、上が言うから従っている。
警備は麗が逃げ出さないようにしているだけであって、対吸血鬼用のものではない。
使用人たちの会話からそれを聞いて、玄関前しかいなかった警備になるほどと合点がいった。
屋敷の出入り口はひとつ。
調べ直せば一階には窓ひとつなく……つまり、麗が逃げ出せるとすれば玄関しかなかった。恐らく、警備がしやすいよう、わざわざそういう造りにしたんだろう。
とりあえずと、その場で使用人に咬みつき俺の血を送り込んで意思操作をした。
記憶操作の時に必要とする倍以上の血を送り込む意思操作は貧血になるし正直あんまり好きじゃない。
けどまぁ、仕方ねーかと、ちゃっちゃと三人分それを終え、麗の意思を尊重するようにだけ仕向けた。
屋敷を出る時、警備も……とチラッと思ったが、麗の様子を見る限り、抜け出そうとして警備ともめるなんて事は考えにくいから放っておいた。
それから、三人分もの意思操作に使った血を補うべく、適当な人間を狩って血をもらって記憶操作も済ませて戻ってきたのは一週間も前なのに。
念のためと、アキラと顔を合わさないようにして一週間過ごしてきたのに。
どうやらさっき昼飯を一緒に食った時に気付かれたらしい。
一週間経てば血もだいぶ元に戻ってるハズなのに、本当に鋭いヤツだなと苦笑いが漏れた。
「それって、遊びでやってるの? だとしても入り込みすぎてない?」
珍しく顔をしかめたアキラに「大丈夫だって」と笑う。