○○するお話【中編つめあわせ】
恭くんが第三営業課、私が庶務課に配属されて今年で二年目になる。
恭くんはなんでもできるし呑み込みが早いからと、どこに配属するか特に悩まなかったっていうのは社長でもあるお父さん談だけど。
私については本気で悩んだというのも、「いやー、あの時は本当にまいったよー」と当時を思い出してかヘロヘロした笑顔を浮かべたお父さんから聞いた話だ。
お父さんの言っていた通り、恭くんはめきめきと仕事を吸収し、二年目なのに第三営業課の中では成績上位。
初めて月間成績が三位以内になった一年目の秋、『すごいね! お祝いだね!』ってホールケーキを買った私を見て、恭くんは呆れたように笑った。
一方の私も……周り(主に宮地さん)に迷惑かけながらも、それなりに仕事はできるようにはなってたから。
『じゃあ、凛がとりあえず半年間クビにされなくてよかった祝いも一緒にするか』って。
そう、笑ってた。
ついてきたロウソクが勿体ないしって思って全部立てたら、ケーキがボロボロになっちゃって……恭くんは苦笑いを浮かべながらホールケーキを頬張った。
それから半年。
あの頃と今と何が違うんだろうって考えながら伝票の整理をしていると、宮地さんに「社長の出張、ついて行くんだって?」と聞かれた。
「あ、はい。勉強だからって。出張でどういう事をしてるのか、見とけって」
一週間もに渡る出張だから、私の仕事を周りの人に任せてしまう事になる。
秘書でもない私がついて行くのはおかしいって、最初は断っていたけれど……いずれ絶対にためになるからって押し切られて渋々頷いたのは、先週の事。