○○するお話【中編つめあわせ】
恭くんには、一応話したけど。
書類から私に視線が移る事はなかったから、分かってもらえたかどうかは分からないまま、確かめられてもいない。
「すみません……。仕事、放り出して行くことになっちゃって」
謝ると「気にしなくていいよ」と優しく言われる。
「月初だしね。そんな仕事量ないし」
「それに、顔売っておくのも大事な仕事だしね」と付け加えられた言葉に首を傾げながら「おみやげ、買ってきますね」と笑顔を作った。
「お菓子系でいいですか?」
「ほんと? 楽しみにしてるー……けど、自分で食べる用にも買ってきなさいよ?
なんかまた痩せたように感じるんだけど、気のせい?」
目ざとい宮地さんに「はは」って曖昧に笑う。
もともと太らない体質だけど……最近、またちょっと痩せた。
理由は、夕飯を食べる量が減ったから、だと思う。
だって、ひとり残された食卓はなんだかさみしくて。
恭くんが部屋に戻っちゃうと、私もなんとなくそれ以上箸が進まなくなっちゃって。
だけど、減ったのなんて2キロだけなのになぁ。
恭くんも気づいてないのに。
そういう目はやっぱり女の人の方が鋭いのかもしれないなぁ。