○○するお話【中編つめあわせ】


「……やっ、カイジさん……っ!」

さっきみたいに抵抗するけど、カイジさんはさっきみたいに離してはくれなかった。
私が嫌がっているのは言葉でも態度でも分かっているハズなのに、その上で、それを抑えつけるみたいに、受け止めるみたいに強く強く抱き締める。

がっしりとした身体に閉じこめるように抱き締められてしまえば、私の抵抗なんて敵うハズもなくて。
それでもどうにか抜け出そうとした私の耳に、カイジさんが言う。

「ごめん……ごめんな、麗。もう勝手にどっか行ったりしねーから」

必死に絞り出したような、掠れた声に……抵抗できなくなる。

「だから……俺の事、嫌だなんて言わないで」

すがるような声は震えていて、もしかしたら泣いているのかもしれないと思ったら、とてもじゃないけど、拒否するなんてできなかった。
だって……カイジさんが泣くなんて……。

「カイジさん……?」
「ごめん、麗……本当にごめん。手枷でも足枷でもつけて、麗に繋いでおいてもいいから。もう、絶対にいなくならないから……」

ズって、鼻の音が聞こえて……びっくりして止まっていた私の涙も封を切ったように溢れ出す。
ひっ……と泣き声を漏らすと、カイジさんはぎゅっと抱き締めながら背中を撫でた。

優しい仕草に、カイジさんの香りに、カイジさんに……カイジさんに。涙も泣き声も止まらない。空気を吸い込もうとする息さえもが震えていた。

「だからさ」と言ったカイジさんが、私をなだめるように抱き締めたまま続ける。


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