○○するお話【中編つめあわせ】
「俺にまた、麗の喜ぶ事いっぱいさせてよ。
俺、麗の幸せのために戻ってきたのに、役目果たせないと意味ない」
その言葉に、涙を流しながら聞く。
「役目、果たせないと……消えちゃったりしないですよね?」
「んー? 分かんねーけど、麗ちゃんが役目果たさせてくれれば心配いらないんじゃねぇ?」
そんな風に言うカイジさんに……無性にイラっとして抱き締めたまま、涙を流したまま、背中を叩いた。
自分の命の事なんだからそんな軽く考えていいはずがないのにと。
どうやらせっかく本当に生き返れたみたいなのに、こういうところは変わらなくて呆れてしまう。
私には鬱陶しいくらいに世話を焼くくせに、自分の事は割と適当に考える。
そういうところは直して欲しいから後で言おう。
ぽかぽかと何度か叩き、カイジさんが「麗ちゃん、痛いって」と全然痛くなさそうに笑ったところで、その手を止め、またぎゅうっと抱き締めた。
「約束、してください。絶対に破らない約束を」
「約束?」
「絶対に……どこにも行かないって約束してください。ずっと……私の傍にいるって。ひとりにしないって」
一拍空けてから、カイジさんが言う。
「ああ。約束する。だから麗ちゃんも、ずっと俺の傍にいて」
ぎゅううっと抱き締めるカイジさんが、まるでしがみついているように思えてしまって。
思わずふっと笑みを零すと……すぐに、すごい勢いで離された。
私の肩を掴んで距離を作ったカイジさんの瞳にはやっぱり涙が光っていて……そして、その瞳は驚いて私を見ていた。