○○するお話【中編つめあわせ】


「そうそう。よくパニクってるとこ見るけど、それも可愛い。
なんかこう、男の本能をくすぐるタイプなんだよ、守ってやりたくなるっていうかさ」

ごくごくと喉を鳴らしてビールを飲む林を見ながら、なんだか懐かしくなる。

確かに、すぐ照れて赤くなるところとかを可愛いと思ってたよなと。
別に今はもう可愛く思ってねーってわけじゃないけど、ずっと一緒にいれば毎回新鮮に可愛いだなんて思わねーし、それが普通だ。

いつまでもフレッシュな関係でいたい、だとかそんなくだらねー事言うヤツもいるけど、バカじゃねーのって思う。
お互い変わり続けなきゃそんな関係保てねーし、そんなもん疲れるだけだろ。
新鮮さなんか感じなくても、傍にいて落ち着ける方がよっぽどいい。

「アルコールが入ってるから言っちゃうけどさ、俺真面目にタイプなんだよなー。
狙ってもいい?」

不意にそんな事を言い出した林に、一瞬返事に迷ったが。
へらへら笑う林を見て「俺のモンってわけじゃねーし」と軽く流す。

酔っ払い相手にする発言にそんな考える必要もねーし、それに、俺と凛の関係は表向きただの幼なじみだ。
ダメだって拒否する理由がない。

林もやっぱりそんなに本気じゃなかったみたいで、山下に「社長令嬢狙うとか身の程知れよ」って言われて笑っていた。



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