○○するお話【中編つめあわせ】
なんで、付き合ってるのを秘密にしてるかっつーと、俺が言ったからだ。
内緒にしておこうって。
最初はただ、凛の兄貴が引くくらいシスコンでバレたら面倒だしって理由だった。
それに、家が隣同士でお互いの親をよく知っている分、なんか気恥ずかしかったっていうのもあった。
でも、就職が決まってからは……その理由は少し変わった。
凛のおじさんはうちの社長だ。
凛と俺が恋人同士だなんて会社のヤツに知られたら、その時点で俺はまともな評価をしてもらえなくなる。
いずれ結婚……なんて騒がれた日には、それこそそういう目線での評価しかされなくなるのが目に見えてる。
会社設立当初から、東条の家の人間しか社長椅子に座っていない事実を考えればなおさらだ。
おじさんはまだまだ元気だけど、例えば数十年後を考えた時。
社長の椅子におさまるのは、凛の兄貴か……それか、凛の結婚相手って事になるのは簡単に予想がつく事だ。
凛は、社長の娘。
そうなってくると、見合いだとかそういう話だって早いうちに飛び出しかねない。
だから、そうなる前に自分の足場を固めて置く必要があった。
もしも、そんな話が出ても、その時その見合い相手と競ってもそれなりに戦える実績と自信が欲しかった。
できるだけ早く。