○○するお話【中編つめあわせ】


「まぁまぁ、少しだけだって」

笑う林に、さすがに立ち上がって止めようとしたけど、林がドアを開ける方が先だった。
まぁ、でも……あいつが片付けられないタイプだっていうのは、山下の言ってた通り、誰でも分かる事だし。

さすがにあいつだって、下着だとか、その辺のもんはちゃんと閉まってるだろうし、と、思いながら「散らかってんだろ」と林に声をかけて……。

部屋の中を見て、驚く。
部屋は、きちんと片づけられていた。

「なんだ、綺麗じゃん」と、意外そうな声を出した林に「……ああ」と頷きながら、部屋を見渡す。
置いてある家具は、ベッドとローテーブルだけ。
クローゼットん中はどうなってるか分かんねーけど、でも、見える範囲は綺麗に片付けられていた。

本当にあいつの部屋かって、疑いたくなるくらいに。

……やればひとりでもできるんじゃねーか。
いつもいつも手伝ってやらないと、片付けられなかったくせに。

いつも、なんでも出しっぱなしにするくせに。

……そういう部分にイラつく事があったのに。
なぜか、綺麗に片付けられた部屋が気に入らなくて、ムシャクシャした。



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