○○するお話【中編つめあわせ】
「で、東条さん、弁当作りに飽きちゃったって?」
「知らねーけど、でもあいつだって働いてんだし、んな毎日朝早くも起きれねーだろ」
「そうだよなー。専業主婦ならまだしも、同じ会社来てんだし作ってた今までの方がすげーよ」
そんな話をしていて……ふと、本当にそうだよなと思う。
同じ時間に出社してなきゃならねーんだから、朝早く起きないと弁当なんか作れない。
帰りは基本俺の方が遅いけど、それでもあいつは起きて待ってたし、夕飯すら食べないで俺を待ってた。
俺をひとりで食べさせた事はなかった。
別に用もなければ、話す事だってないのに、いつもいつも……。
欠伸かみつぶして。
先食べててよかったのにって言っても『平気だよ』って笑って。
……そのせいなんだろうな。ここ最近、帰ってひとりで食べる夕飯に、違和感を覚えてんのは。
当たり前に用意されていた夕飯。弁当。
最初の頃は、食材の買い出しだって一緒に行っていたのに。
夕飯だって、凛の食べるペースに合わせてたのに。
最近は、凛がまだ食べているのに、自分が先に食べ終わると待たずに席を立っていた。
飯時だろうが、部屋にふたりきりだろうが、仕事の事しか考えてなかった。