○○するお話【中編つめあわせ】



部屋は暗く、凛は帰ってなかった。
当たり前だ。
メールが届いてねーんだから。

「なんだよ、アドレス変えたんなら教えろよ」

ぶつぶつ呟きながら、部屋の電気をつけて持っていたカバンを部屋に置く。

でもまぁ、文句は出るけど、あいつがアドレス変えても、俺に教えるっていう頭がないのはなんとなく分かる。
俺と凛はずっと、メールとかそういう連絡手段が必要ない距離にいたから。

それに、ふたりしてメールとか面倒だって思う性質だったから、メールすんなら電話、電話するくらいなら会って話すっていうのが自然だった。
実家も隣同士だったから余計に。

だからまぁ、あいつがいつ、なんのためにアドレスなんか変えたのかは知らねーけど、俺に教えてこないのは仕方ない事って言えばそうで。

時計を見ると、18時。いつもならまだ会社にいる時間。
せっかく仕事切り上げて帰ってきたのに凛がいないんじゃ時間の無駄だ。

そう思い、凛の番号を呼び出して電話する。

今ならまだあの兄貴は仕事してるだろうし、電話の向こうからうるさく言われる事もないだろう。
凛は……帰る時、庶務課覗かなかったから分かんねーけど、大体庶務課はこの時間は終わってるハズだし。


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