○○するお話【中編つめあわせ】
「こちら、第二営業課の田坂さん。知ってるだろ? おまえの事気になってるっていうからさ、どうかと思って」
林の言葉に、田坂とかいう女が照れたような、むくれたような表情で俺を見る。
「喫煙室で何度も話したのに……わざととぼけてるんですか?」
もう、と、わざとらしい笑みを向けられて、ああそういやいたなと思い出す。
喫煙室で、なんかやたら距離感近い女が。
今は制服じゃねーし、いつもあんま顔見てねーから分かんなかったけど、そういやこんなヤツだったかもしれない。
手相がどうの言って、触ってきた覚えがある。
最近は言わなくなったけど、凛が、身体に悪いって煙草だけは珍しくぷりぷり怒ってたから、半年前くらいから徐々に減らして、今は吸っても一日一本で吸わない日もある。
だから、ここ半月くらいは喫煙室にも行かなくなってたし、田坂の顔見ても分かんなかった。
ああ、田坂じゃねーや。田坂さん、か。
確か年上だった気がする。
「すみません。煙草止めようと思ってるんで、最近は喫煙室行かなくて。一瞬、分かりませんでした」
先輩だ。
角が立つとマズイと、笑顔で言う。