○○するお話【中編つめあわせ】


正直、普段からそんなニコニコしてるタイプでもねーし、作り笑顔は苦手だけど。
入社して営業部に来てからは、外で笑って、中でも先輩に笑って。
家に帰る頃には心底疲れて表情筋がどうにかなりそうになる。

ただ、営業って仕事は成績がダイレクトに評価に繋がるから、文句は言わねーけど。
おじさんも、社内ですれ違ったりすると俺の成績知ってて褒めてくれるから、悪いようには思われていないと思う。

少なくとも、実は凛と付き合ってるって話をした時に、認めてもらえるくらいの成績は残しておかないと……と考えて、気持ちが重くなった。

正直に白状すれば、俺がこんな頑張ってんのに凛のやろーと思わない事もない。
けど、それにしたって俺の態度はあんまりだったから……まぁ、謝るべきなんだろうな。

凛が帰ってきたら、そことっつかまえて兄貴に邪魔されないうちにアパート連れてきてそれで……。
六日後、どうやって凛に謝るかを考えていると、「煙草、やめるんですか?」と声を掛けられる。

まだ煙草の話続いてたのか、と思いながらも「身体に悪いんで」と笑顔で答えた。

20時の居酒屋。
がやがやと周りの声が聞こえてきて煩わしい。


< 45 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop