○○するお話【中編つめあわせ】
なんだよ……チャンスって。
少し前に別れたって……。
なんだよ、それ。
「なんだよ……それ」
無意識に出ていた言葉を「まぁまぁ」と林が宥める。
「東条さんだって、国見を思ってしてくれた事なわけだし、そんな怒るなって。
おかげでおまえはこんな綺麗な田坂さんとこうして飲めてるわけなんだしさ」
陽気に笑ってぐいっとビールを煽った林が、機嫌良さそうに続ける。
「そういう事だから、次はおまえが俺と東条さん引き合わせてくれよなー。
俺単体じゃ全然ダメなんだもん」
「ダメって……なにが」
今はそんな話してる状況じゃねーんだけど。
それよりも、チャンスってなんだよって、頭ん中はそればっかりだけど。
凛の話題なだけに無視する事もできず静かに聞き返した俺に、林が笑いながら言う。
「なんか上の空で話通じなくてさ」
「……だから、それは元からそういうヤツだし」
「まぁ、そうなんだけど。でさ、おまえのネタなら少しはリラックスしてくれるかなって思って、あいつ、東条さんは俺のもんじゃねーとか言うんだよって話したんだよ。
あんな我が物顔してるくせによく言ってるよなって。
そしたら一瞬驚いた顔したけど、すぐどっか行っちゃってさ。もう全然ダメ」
「それ、いつの話だ……?」
「え? ああ、確か……二週間前くらいだったかな」