○○するお話【中編つめあわせ】


恭くんはアドレスを知らないから、だから、心配だってメールがこないんだって……。
着信拒否したから、だから、いつまでそっちにいる気だよって電話がこないんだって。
情けないけど、そう思いたかった。

恭くんが発してないんじゃなくて、私が拒否してるんだって。
拒否してるんだから、メールも電話も絶対にこないって。

スマホばっかり気にしちゃう自分を、やめたかった。

そうする事で、スマホの呪縛からは逃げられたけど……明日帰ったらどうしようと思う。
本気で逃げられるわけがない事くらい、私の弱い頭でもわかった。

だって、会社だって一緒だし、実家は隣同士だし……幼なじみだし。
明日家に戻ったらもう、逃げられない。

恭くんが家に来たら、逃げられない。

……だけど、家になんてきっと来ないだろうな。
そう考えて胸が痛むのは仕方ない事なんだと、自分に言い聞かせるように思って、ぐっと奥歯を噛みしめる。

恭くんはもう、鍵とメモに気付いたのかな。
冷蔵庫のプリンにも、気付いたかな。
賞味期限切れないうちに気付けて、食べられたかな。

あのプリンが……いつかと同じモノだって、気付いたかな。

私が出て行ったって気づいて……何か、思ったかな。


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