○○するお話【中編つめあわせ】
恭くんの同期っていう人に、恭くんは私を自分のモノじゃないって話してたって聞いた時から、気持ちはぼんやりとだけど固まってたから、田坂さんにも笑って話す事ができたんだと思う。
恭くんは、付き合ってるって事を秘密にしたがってた。
だから、同期の人にもそう言ったんだっていうのは分かってた。
今までだってそういう事あったし、ふたりでいる時、他の人に関係を聞かれて、目の前で付き合ってないよって否定された事だってある。
でも……その時は平気だったのに、この間はなんでだかダメで。
恭くんの同期の人が色々話すのを、すーって冷たくなった気持ちで聞いていた。
恭くんが私に冷たいの、すごく分かってたから。
だから……ああ、そうなんだって。
やっぱりそうだよねって。
私は。
恭くんの声じゃないのに、恭くんが本当にそう言ったかも分からないのに、知らない人の言葉で傷ついて離れちゃうくらい疲れてたんだって、その時気付いた。
ずっと、傷ついたってボロボロになったって繋いできた手なのに。
私は、それを、恭くんじゃない人の言葉で――。
つーって、静かに涙が流れ落ちる。
離れた方が楽なの。
恭くんと一緒にいた方が、苦しいから。
田坂さんなら、恭くんを笑顔にできる。
私じゃ……恭くんに無理ばかりさせちゃうもん。
だから、これが正解だ。
――だけど。
それでも、好きな気持ちはどうすればいい?
『待っててやるから、焦らないでゆっくり考えればいいから』
いつかの言葉が聞こえた気がして、また涙が頬を伝った。