○○するお話【中編つめあわせ】
「もし、連絡あったら、悪いんだけど荷物……」と言いかけた時、ピンポーンとインターホンの音が聞こえて。
私、別に出るつもりなかったのに、お兄ちゃんは私の両肩を押さえ付けるようにして座らせると「凛はここで片づけの続きをしてるように」と笑顔で言う。
「え、うん……」
「いいか? 間違っても部屋から出るなよ? 外は危険なんだからな!」
「……うん」
そう言い残してまた階段を転がるようにして走り下りるお兄ちゃんに、変なの、と首を傾げる。
下にはお母さんがいるんだし、お兄ちゃんがわざわざ急いで行く事ないのにって。
だけど、その後、間もなくして聞こえてきた声に、お兄ちゃんが慌てていた理由が分かった。
「帰れっ! しつこいヤツだな! 恭太に会わせる妹はいないっ!」
「嘘つけっ! ひとりいるだろーが、気持ち悪いくらいに溺愛してる妹が」
「可愛い可愛い妹は確かにひとりいるが、恭太には会わせない! 絶対に!」
「おじさんの許可が必要ならまだしも、シスコン兄貴の許可なんか必要ねーだろっ!
だから気持ち悪がられんだよ。言っておくけど、あいつ、割と本気で引いてるからな」
「はいダメー。俺の事そんな風に言うヤツ、絶対認めませんー。あと引かれてもいませんー」
外から聞こえてきたお兄ちゃんと……恭くんの声。
驚きながら、窓を開けて顔を出すと、すぐに玄関前にいた恭くんがこっちを見上げた。