○○するお話【中編つめあわせ】


「……ううん。いいの。
私の方こそ……必要のないプレッシャー、与えてごめんなさい」

凛の細く頼りない声に顔を上げると、真っ直ぐに俺を見る瞳に気付く。

ここに来るまでも、ちゃんと後ろをついてきてくれてるか不安で何度もチラチラ振り返ってはいたけど。
こうして真正面から凛を見るのなんて久しぶりで。

ただ見つめ合ってるだけなのに、胸の奥がじわりじわりと熱くなる。
わずかな息苦しさまで感じて、なんだこれ、と思う。

「いや、プレッシャーとか、俺が勝手に言ってただけだし。あん時怒鳴ったんは……悪い。ただの八つ当たりだ。
仕事で結果残さなきゃっていうのも……いつか、おまえと付き合ってるっておじさんに報告する時、反対されない自信みたいなモンが欲しくて、それで。
おじさんとか、周りのヤツらに認めて欲しいって……でもそんなの、俺の勝手なプライドなのにな」

そう言って少し笑うと、凛は意外そうな顔して驚いていた。
まぁ、言ってなかった事だし、もしかしたら凛はそんな理由だったとは想像してなかったのかもしれない。

もう一度、「ごめんな」と謝ると、凛はしばらく俺を見た後、ふるふると首を振った。

凛の目には、うっすらと涙が浮かんでいるのが分かった。


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