○○するお話【中編つめあわせ】


「俺、本当に反省してるし、これからは……っ」
「田坂さんとの方が、きっと楽しいよ」

凛の言葉を、すぐに「んなわけねーだろ!」と否定する。
反射で言い返した後、田坂って、なんで……って、考えて、凛が田坂の背中を押した事を思い出した。

「田坂さんとなら……私と付き合うみたいに、周りの目とか気にしなくて済むし、仕事だって今までみたいにプレッシャーないよ。
私よりも上手に話せるし仕事の話とかも……」
「俺はっ、おまえがいいって言ってんだろーがっ!」

大声で怒鳴るように言うと、凛がびくっと肩を揺らす。
怯えたような目で見られたけど……そんなの、気にしてられなかった。

だって、俺は凛が好きだって言ってんのに。
こいつだってそんなの知ってるハズなのに……なのに、なんで。

「なんで、他の女薦めてくるんだよ……。終わりとか……なんで、勝手に決めてんだよ……」

大声から一転。
自分でも情けないくらいの弱々しい声が出て驚く。

すがるような声はカッコわりぃとも思ったけど……それも、気にしてられなかった。

凛の浮かべる表情も、俺のカッコ悪い声も。気にしてなんかいられない。
凛に分かって欲しくて。
ただ、それだけだった。


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