○○するお話【中編つめあわせ】
そう思って、俯いたまま泣き続ける凛を覗き込むようにして声をかける。
「じゃあ、こういうのは?」と聞くと、凛はそっと顔を上げた。
真っ赤になった目に、胸んとこがまた痛くなる。
「関係の名前は幼なじみでもいいけど、関係の内容は今まで通りとか」
そう告げると、凛は少し分からなそうにした後、掠れた声で言った。
「一緒に、住むって事?」
「ああ。ルームシェア」
「ご飯も、一緒?」
「一緒。掃除は分担」
「買い出しは、休みの日に一緒に行く」と付け足すと、凛は鼻をすすりながらわずかに口の端を上げる。
「誕生日、は?」と、期待を込めた瞳で聞いてくるのは……俺も期待していいのかどうか。
微妙なバランスにある凛の気持ちを計りながら答える。
間違わないように。凛が呑み込んだ気持ちを、見落とさないように。
「一緒に祝う。おまえの時は、でっかい苺のケーキ買って。
ろうそく差してケーキぐちゃぐちゃになっても前みたいに怒んねーから。
俺ん時は……今年と同じヤツがいい」
俺がプリンに気付いてる事を知った凛は、少し驚いた顔をして……それから、ふふっと笑う。
ふわりとした笑顔が心臓を握りつぶすくらいの威力を発揮するから、声が詰まりそうになった。
久しぶりすぎる笑顔に、目の奥が熱くなるから必死に堪えた。