○○するお話【中編つめあわせ】


「で、一緒に寝る」

最後に足した言葉に、凛は少し驚いた顔をして、それから分からなそうに眉を寄せた。
そして、疑るように聞く。

「同じベッドで……?」
「ああ」
「昔みたいに、って事?」

昔、と言われて思い浮かぶのは、生まれた時から小学校高学年くらいまでの記憶。
うちに泊まりにくると必ずと言っていいほど俺の布団にもぐりこんできた凛とは、もう数えるのも面倒なくらい、同じ布団で寝た。

けど、それと今俺が言った意味はちょっと違うから。

「昔とはちょっと違うけどな」

やんわりと否定してやると、凛はますます眉を寄せて顔を赤くする。
不貞腐れてる唇が尖ってて可愛い。

――可愛い。素直にそう思う自分に少し驚いた。

仕事に必死になってた時だって、優しくはしてやれていなかったけど、俺の中心は凛だった。
けど……だからって今の凛との生活をないがしろにしていいって話じゃない。

ひとりで煮詰まるくらいにツラいなら、ちゃんと凛にも言うべきだったし、ひとりで抱え込むから何も見えなくなるんだって思ったら……。
自分のアホさに嫌になった。

“俺が”って、勝手に色々背負ってたのはただのエゴだったって気づいて……第一俺は、そんなにできた男じゃねーのにって考えたら笑えた。


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