○○するお話【中編つめあわせ】


「俺、何もしなかった自覚はあるけど……おまえが俺を嫌がるような何か、知らないうちにした?」

不意に聞かれた問いの答えに迷う。
……私、何かされたっけ?

「俺、全然構ってやれなかったとか、優しくしてやれてなかったとか、そういうのは分かってる。
自分の事しか頭になくて、おまえに何もしてやれなかったって。
でも……触られるの嫌がられるような、なんか嫌な事した?」

……ううん。

「それとも……なんかしたんじゃなくて、何もしなかったからもう嫌になった?」

……うん。

何もしてくれない事が、気にもかけてくれない事が悲しくて……そんな自分が嫌になった。
だって、私なんのためにここにいるんだろうって、そう思って。虚しくなって。
何度も泣いた。

ひとり残されたダイニングテーブルで。
お風呂の中で。
自分の部屋で。

ふたりで住んでるのに、いつもひとりでたくさん泣いた。

その時の想いが蘇って、治まっていた涙がまた一筋頬を伝う。
その涙を、恭くんは指先で拭おうとして……でも、触れる直前で、手を止めた。
多分、私が「触っていい?」て言葉にまだ頷いていないから。

頬に触れる直前で止まった手を眺めていると、恭くんが聞く。

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