○○するお話【中編つめあわせ】


ダイニングテーブルに並ぶのは、恭くんがとってくれたピザと、買ってきたカット野菜で作ったサラダ。
ピザ屋さんが、サービスですってくれたジンジャーエールは、ふたつのコップに分けた。

そして、書類に邪魔されない久しぶりの夕飯を、色んな話をしながら食べて……。
半分くらいなくなったところで、恭くんが少し言いにくそうに聞いてきた。

「あのさー……京都でどっかの社長の息子と見合いさせられたって聞いたんだけど」
「えっ」

驚いて、思わず声がもれる。

な、なんで知ってるんだろう……。
確かに紹介されたけどやり過ごしたし、お父さんにももうそういうのはやめてって言ったし、口止めもした。
そうしないとお兄ちゃんがきっとうるさいからって言ったら、お父さんも『それもそうだな』って苦笑いしてたのに……。

なのに、なんで恭くんが知ってるの?

不安そうに見てくる恭くんを、ちらって見ながら口をもごもごと動かす。

「会って、ご飯食べたけど……でも、ちゃんとこういうのはもうやめてって、お父さんに言ったよ。
そしたらお父さんも、分かったって言ってくれたから、きっともう私に内緒でお見合いとかはもうないと思う」

知られたくなかった事だけど、嘘つくのはもっと嫌だからちゃんと説明すると。
恭くんは少し黙った後、はーってひとつため息をついて「そっか」って言った。


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