二度目の恋の、始め方
久しぶりに目があった。姿を見ることはあっても彼の瞳に私がうつることは無かったのに。高鳴る心臓は爆発寸前で、なんとか息をしようと必死で空気を吸い込んだ。
「宮路くん達見てたら世の中の男が霞むよね~カッコい~い」
きょんは食堂に着いても興奮気味で、大好きなおばちゃんのオムライスを目の前に、なかなか手をつけようとしなかった。
…………似合わない。
その髪色、雄大らしくないよ。
日に日に好きが増殖する。叶わない恋だと、頭では理解しても身体はまだ雄大の温もりを求めてる。あんなに傷付けて、雄大と離れたくない理由で英高校を受験した私は、彼の言うとおり残酷なのかもしれない。
「あのっ、川嶋さん!川嶋さんって楠木くん達と知り合い、なの?」
私達の座るテーブルに顔を真っ赤にさせてやって来た、名前すらうる覚えの同じクラスの眼鏡女子。えっと誰だっけ……?
「いや、知り合いってほどじゃ……」
「コレを壱樹(イツキ)くんに渡して欲しいの。お願い!」
「……あの……え、待ってっ!」
言うだけ言って、そのまま逃げるように去ってしまった女の子にピンクの封筒を無理矢理手渡されてしまい、困惑する。