二度目の恋の、始め方
「関係ないヤツは引っ込んでればいいのに。てか雄大、またそいつ連れてんの?いいかげん目障りでしょうがないんだけど」
「はぁ~?もう一回言ってみなさいよ~その生意気な口、縫い合わせてやる」
「それはコッチの台詞」
場が白けた様子の葉山クンは、私から離れると、近寄ってくるお人形さんと即座に距離を取る。だぶん、雄大達と同じSクラスの子だ。屋上で何度か見たことあるもん。
「それにしても。こんな大勢の前で女の子襲うなんて、悪趣味にもほどがあるでしょ~」
「黙れよ。お前は何なの。四六時中、雄大にくっ付いて、みっともないんだけど」
「なんですって壱樹!」
顔に似合わず毒舌のお人形さんは雄大の腕に擦りよって、葉山クンと口喧嘩してて、もはや傍聴人と化した私はただその光景を見守るしかない。ついに痺れを切らしたらしい雄大の一言で、空気は一変した。
「……ったく。お前等、双子、マジでめんどくせぇ。たまには仲良く出来ねぇの」
「えっ、双子!?」
「え~いくら雄大の頼みでも無理。だって美月(ミヅキ)、壱樹嫌いだもん」
そう言われれば、似てるような、似てないような。性格はソックリだけど。掴まれていた手首をさすりながらジッと観察していると、お人形さんの大きな瞳とカチ合う。