二度目の恋の、始め方

「私達似てないでしょ~。壱樹とは二卵生の双子なの~」

「そ、うなんですね。驚きました」

「やめなよ凛。ソレと喋ると馬鹿が移る。気分悪いから戻るよ、じゃあね」

葉山クンの言葉に、頬を膨らますお人形さん。それを気にもとめずに、背中を向けて別棟の方へ歩き出す葉山クンを見ていると、お人形さんが面白そうに私を覗き込む。

「へぇ。壱樹が女の子の名前覚えてるなんて驚き。雄大もそう思わない?」

「……あぁ」

「面白いね。壱樹の弱みになるかも~。あなた、普通科の子?名前は?」

「A組の川嶋、凛、です」

「リンちゃんね~。お餅みたいにモチモチしててか~わい。私はSクラスの葉山美月。よろしくね~」

そう言って私の頬をプニプニ抓る美月ちゃんは名前まで可愛くて、近くで見ると余計にその可愛さに圧倒されるけど、やっぱり葉山クンと似て毒舌なんだな、と思う。
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