お前が愛しすぎて困る



お互いにシャワーをすませ、


部屋を出た。


まだ一緒にいたそうな江梨子。


表情がそう言っていたけど、


それには何も言わず、


「また何かあったら連絡してこいよ。」


とだけ言って、研究所へ向かった。





着いてすぐ教授の部屋へ行き、


遅刻の謝罪を述べてから


自分の部屋の鍵を開けていると、


「稜!お前はー!!」


無駄にテンションの高い隆太に捕まった。


ふーっとため息を付いて部屋に入る。


「こんな時間に出勤しやがって!


まさか……花南ちゃんと…。」


隆太も後を追うように入ってくる。


俺が遅刻した理由を


昨日会うと言っていた花南と、


朝帰りでもしたからと勘違いしているらしい。


白衣に腕を通しながら


「アホらし…」


と呟く。



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