AveniR-アヴニール-
「おにーたん!みてみて!」

ニコルが嬉しそうな顔で

走ってきた。

「なんだよ、薬草でも取れたか?」

「ううん、ほらみて!

キレイなお花!」

ニコルは俺の目の前で

一輪の花を見せてきた。

薄い桃色の大きめの花びらがついてる。

けれど、この花は薬草と全く関係ない。

サボりやがったなコイツ。

俺は軽くため息をついた。

「あのなぁニコル。

俺達は薬草を取りにきただけで

花を取りにきた訳じゃねえんだ。
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