本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
「私にとって小牧くんは最高の彼氏だった。辻先生と比較したことなんかなかったよ」
小牧君は自分の手を私の頭に乗せると急にわしゃわしゃと撫でた。
「小牧くん?」
「これがしたかったんだ。俺にとって大人の男っていうのは、自然にわしゃわしゃができる男だって勝手におもいこんでたから」
小牧君を見上げると、真っ赤になった顔で呟いた。
小牧くんの手は大きくて少し骨ばっていてそして……
「大人の人の手だよ」
小牧君は少し照れた様子で私の腕を強く握り歩き出した

その後タクシーを拾った。
そして小牧くんが運転手に告げた住所は意外にも私の今住んでいるアパートから近い場所だった。
< 84 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop